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上海道生:科学技術で伝統医学の発展に貢献

2019年 4月 19日10:04 提供:東方網 編集者:王笑陽


宇宙医学と中医学、不思議な結合


 2010年6月3日から2011年11月4日までの520日間、ロシアのモスクワで「マーズ500(MARS500)」という実験が行われた。将来の有人火星飛行の際、宇宙船という閉鎖空間での共同生活が、宇宙飛行士の肉体や精神にどのような影響を与えるのかを調査するためのプロジェクトである。

 ロシア人6名、イタリア人、フランス人、中国人各1名の計6名のクルーが、外部から隔離された模擬宇宙船の中で520日間過ごした。そしてその間、各国から持ち寄った100以上の実験が行われた。中医学に関する研究は、中国が主導した3つの実験の中の1つだった。

道生の「四診儀」で研究者が「マーズ500」のクルーの健康情報を収集

 中医学の研究者は、道生の「四診儀」を使用して6名のクルーに対し、閉鎖空間での別々の時期の顔の色、舌の色、舌苔の色、両手の脈の情報を収集して、関連データベースを作成した。そしてその分析結果をもとに『マーズ500クルーの健康状態に関する中医学検査データの分析』(2014年9月)などの論文を発表した。

 このように「四診儀」のような機器は、中医学だけでなく、宇宙医学の研究にも役立つことが期待されている。

 宇宙医学とは、「微小重力環境」、「宇宙放射線環境」、「閉鎖環境」という、人間にとって非常に過酷な宇宙環境が、人間の身体や精神状態にどのような影響があるかを突き止め、対策を生み出してそれらの影響を最小限に抑え、宇宙飛行士の健康と体力を維持するための医学である。

 中国の宇宙医学研究者にとって、全体的治療を主眼とする中医学の優勢をどのように発揮するのかが課題だ。中国の有人宇宙飛行「神舟」計画では、順調な計画推進に宇宙医学が重要な役割を果たした。中でも、中医学の独特の理念と治療法によって多くの難題が解決されたことが明らかにされている。

 例えば、微小重力環境によって心血管機能不全、骨塩喪失、赤血球減少などの症状が生じる恐れがある。これらの症状に対して西洋医学には、特に有効で副作用のない治療法がない。だが、中医学では漢方薬を通じて宇宙飛行士の生理機能を高め、過酷な環境での適応性と耐性を向上させる方法があることが判明した。

 周氏によると、現在、道生は宇宙医学と中医学の結合を推進するために、引き続き宇宙医学用の「四診儀」を開発しているとのことだ。